自社や店舗の純利益を拡大させ、健全な企業経営を続けていくために、「コストカット」は避けて通れない重要なテーマです。

しかし、いざコストを削減しようとしても、どこから手を付ければ良いのか分からず、ただ闇雲に「コピー用紙を節約する」「オフィスの照明をこまめに消す」といった根性論的な対策に終始してしまうケースが少なくありません。こうした無理な削減は、従業員のモチベーション低下や生産性の減少を招き、結果として売上を落としてしまうリスクがあります。

現代のビジネス環境において本当に必要なのは、業務の効率化とセットになったスマートな戦略です。今回は、経営を圧迫することなく企業の利益率を劇的に向上させる経費削減 具体策の5つのステップと、知っておくべき税務上の注意点について徹底解説します。

経費になるもの、ならないもの

企業の純利益を増加させ経営体質を強化するための効率的な経費削減の具体策5ステップの解説イメージ図

では、経費になるものとならないものの違いは何でしょうか。

まず、経費になるものからご説明いたします。

経費になるもの

・人件費:「人件費」とは、企業が人を雇用することによて発生する費用になります。従業員に対する給与、ボーナス、退職金といった人件費が経費になります。

・消耗品:「消耗品」は10万円未満の物品を購入したときにかかる費用になります。または、10万円以上の取得価格であっても、使用可能な期間が一年未満であれば経費に当てはまります。

・交際費:交際に伴う飲食代は会議や打ち合わせ目的である場合に限り、「交際費」として経費に計上できます。プロジェクトの打ち上げで取引先を招いて会食をした場合や、仕事でお世話になっている方の冠婚葬祭で渡した祝金・香典なども、交際費として計上できます。

・旅費交通費:「旅費交通費」とは、社内の人間が業務に使った交通費(飛行機代、電車代、タクシー代など)や、出張費が当てはまります。交通費や打ち合わせのために客先に移動したり、営業活動で地方の取引先まわりをしたりする場合にかかった費用のレシートや領収証は旅費交通費になりますので保存しておきましょう。

・通信費:インターネットの回線使用料や電話料金といった「通信費」も経費として計上できます。インターネットやスマートフォンの使用料金や電話代はプライベートとの線引きが難しい部分ですが、基本的な考え方は家賃や水道光熱費と同じです。

その他に、「研究開発費」「新聞図書費」というものをあります。

経費にならないもの

では、次に経費にならないものについて説明致します。

・事業とは関係のないもの:私生活に必要な日用品や趣味の道具、友達との飲み会に使った費用などは、当然ながら経費ではございません。経費の基本的な考え方を基準にすると、経費にならないのは「事業の売り上げにつながらないもの」であるといえます。

・法人税、法人住民税:会社の場合は、法人税や法人住民税、法人事業税などは経費として計上できません。これらはあくまでも義務としての納税であり、支出ではないからです。また、個人事業主の場合は所得税や住民税などを支払う義務はありますが、こちらも経費として計上することはできません。

経費の範囲を超えた場合のペナルティ

もし、経費にならないものまで経費として計上したり、プライベートな会食などにかかった費用を不正に経費に含めたりすると、不自然な申告であるとして税務署の調査が入る可能性あります。この調査で「本来納めるべき納税を納めていない」と判断されると、以下のペナルティが科せられます。

・過少申告加算税:過少申告加算税とは、本来の税額より少ない額で申告した場合のペナルティです。正しい税額のうち、未納分に10%が加算されます。

・無申告加算税:無申告加算税は、納税すべき税額があるのにも関わらず、納税しなかった場合のペナルティです。

・不納付加算税:不納付加算税は、源泉徴収の徴収額について法廷納期限までに完納されない場合に科されるペナルティです。正しい税額のうち、未納分に10%が加算されます。

・重加算税:「過少申告加算税」「過少申告加算税」「不納付加算税」が生じる際に、偽装や隠ぺいなどを行った場合のペナルティです。過少申告加算税と不納付加算税の場合は、重加算税35%が加算されます。また、無申告加算税の対象となる案件は、重加算税40%が加算されます。

経費の削減方法

経費を削減するに至って、まずは経費削減案を立てることが大切になります。

  1. 削減対象の把握
  2. コストの分析・測定
  3. 経費削減案の立案
  4. 目標の設定
  5. 経費削減案の実行

1.削減対象の把握

経費削減を効率的に進めるためには、まず削減可能な経費にはどのようなものがあるのかを把握することから始める必要があります。削減可能な対象を見つけたい場合、全体に占める割合が高い勘定項目に的を絞るというのも有効的になります。

また、比較的改善しやすい項目から手を付けるのもよいでしょう。現状をしっかり分析し、削減対象を洗い出すことが大切になります。そうすることによって、改善すべき項目が明確になり、経費削減を進めることができます。

2.コストの分析・測定

コスト削減の対象が絞り込めたら、次に対象コストの分析と測定を行います。対象となった勘定項目ごとに、現状のコストを測定し、削減できる部分がないかどうか分析していくのです。会計システムに蓄積されている勘定科目ごとのコストデータを詳細に分析することによって、費用の中身を詳細に分解していくと取り組むべき内容が見えてきます。

3.経費削減案の立案

各費用項目の詳細を把握できたら、経費削減案の立案に移ります。無駄なコストが発生している場合は、そのコストをカットすることで削減できます。

また、以前からのやり方のままでは削減できないコストについては、業務のやり方を変えることで削減できないか検討することも大切になります。できるだけ具体的な取り組みに落とし込むことがポイントになります。

4.目標の設定

取り組むべき経費削減案が立案できたら、削減金額の目標の設定を行います。目標金額を設定せずに漠然とした取り組みでは、効率的に削減することはでません。

目標や目標金額を明確にすることにより、目標達成意欲が高まり、コスト削減が進みやすくなります。また、達成時期についても設定しておくとよいでしょう。

5.経費削減案の実行

経費の分析や経費削減案の立案、金額や時期の目標設定が終わったら、いよいよ経費削減案の実行です。実行にあたっては、定期的に進捗状況の確認することも大切になります。目標達成の時期に向けて順調に進んでいるかどうかのチェックを行い、遅れている場合は取り組みを加速させる、目標設定通りに進まない場合は別の方法に変更するなどの対応が必要になります。

経費削減のメリットとデメリット

経費削減のメリットとデメリットについてまとめます。

メリット

・無駄な出費を抑えることができる

・その結果、他の予算確保につながる

・必然的に業務効率化を意識するので、生産性があがる

会社の純利益を上げるためのひとつの施策になります。
売上を上げれば純利益も上がりますが、消耗品や交通費などの経費がかかります。営業利益率の20%の会社が経費を10%削減すると、営業利益は売上を40%増加させる効果と同じであることはご存じでしょうか。経費削減は売上増加と同じウェイトをかけて取り組むことが重要です。

デメリット

・よく考えずに必要な経費を削ってしまうことがある

・結果、削減対象によっては従業員のモチベーションを下げることになる

・生産性が下がる

コスト削減によってそれまで従業員が享受していたメリットがなくなる場合、もしくは従業員が不利益を被る場合は従業員のモチベーションの低下に繋がりかねません。また、売り上げ直結するものなど本来であれば必要なものを苦肉の策で削ってしまった場合、経費そのものは下がるものの、売上も同時に下がってしまう可能性があります。

一般社団法人経費削減機構

国税庁公式:タックスアンサー(企業・個人事業主の必要経費に関する基本方針と算入基準)
まとめ

企業の純利益を効率よく増やすために、経費削減 具体策を戦略的に実行することは非常に価値のある施策です。しかし、大切なのは現場に無理を強いるコストカットではなく、デジタルツールや適切なワークフローの導入によって「無駄な業務自体をなくす」という視点を持つことです。適切なSEO対策やコンテンツの更新を行うように、自社のコスト管理にもしっかりと手をかけ、持続可能な強い企業体質を作っていきましょう。

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